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春になってから、子犬を我が家にお迎えしたい、という相談を頻繁に受け
るようになりました。ペットショップの店頭には、よちよち歩きのかわい
らしい子犬たちが、おもちゃを咥えたりして、愛想を振りまいています。
先週、職場の上司からも、近所の犬と遊べる大型遊園施設で、子犬が販売
されていて、真剣に購入を考えているという相談を受けました。
さて、まったくの別件ですが、それと期を同じくして、こんなニュースが
ありました。ペットショップの経営者の自宅で盗まれたパグ5頭、チワワ
など子犬3頭が、まったくそのまま久留米市内の店先で販売されていたの
だそうです。
盗まれた翌日、飼い主の男性宛に知人から、久留米市の店に関する情報が
寄せられ、十日に飼い主は同署員とともに店を訪問。子犬の一部について、
「盗まれたうちの犬に間違いない」と指摘。同署は店側の同意を得て、八
匹を保管することにした。店主は「別の者が仕入れてきたので、入手先は
知らない」と話しているといいます。
言うまでもなく、血統証つきの子犬はよく売れます。でもその血統証は、
どれだけ信憑性のあるものでしょう?おそらく、この盗難され、横流しさ
れてやってきた子犬たちにも、血統証はつく予定だったのではないでしょ
うか。
血統書の発行される条件は、親犬2頭が血統書を有していること、それだ
けです。血統書を持っている犬から、子犬が産まれた旨を申請書で報告す
るのみ。血統証を発行している団体が書類の内容の真偽を確認にやってく
るわけではありませんから、ほんとうは、3頭しか生まれていなくても、
8頭生まれたと報告することもできます。すべては繁殖家さんのモラルに
かかっているわけです。ひどいときは、純血種同士の親から生まれた子犬
ではなくても、血統証がついて販売されていることもあるといいます。
私が以前ある犬の飼い主さんの取材に行ったときのこと。そこには、ちょ
うどはやり始めた小型犬数種が、オスもメスも親も兄弟もなく、みな一緒
に走り回っていました。家の中にも外にも、すごい数。
はじめはほんの趣味で小型犬をペアで飼い始めたという老夫婦。いつの間
にか子犬が庭先でたくさん生まれ始めたので、一度ある有名大型チェーン
店に売りに行ったところ、けっこうな価格で引き取ってもらえたそう。
またよろしくといわれ、サイドビジネス開始。それから子犬が産まれると、
店のバイヤーが家まで引き取りに来るようになったそう。ここの家ではチ
ワワまでもが広い庭で放し飼いで泥まみれ。なんらかの事情で、ショップ
が引き取らず、売れ残った犬は、繁殖用になっています。
飼い主は繁殖どころか犬に関する知識もほとんどないような人たちで、こ
こで生まれた犬たちを流行とはいえ、40万円以上も出して買う人がいる
のだと考えると複雑な思いがしました。
また、私が以前、仕事で出入りしていたペット問屋さんは、週に一回、犬
の買い付けの日がありました。犬は誰が持ち込んでもいいのです。たとえ
ば、みなさんが子犬を連れていっても、特にヘルスチェックをするわけで
もなく、健康証明書の提示を求めるわけでもなく、おそらくふたつ返事で
買い取ってくれるはずです。
週に2回ある、犬のセリの日には、ペットショップオーナーが、その、各地
から集められた犬を、朝から軽トラックで集まってきます。ベルトコンベア
の上にかごに入って流れてくる子犬たち。マグロの買い付けのごとく落札
してゆく店のオーナーたち。
まだまだひどい話しは続きます。
最近では、台湾や韓国あたりから、子犬が続々と入荷されているそうです。
しかし、MADE IN TIAWANとか、韓国生まれなどと表記され
た小型犬が店頭に並んでいるのを見たことがあるでしょうか?
アジアで繁殖された犬のどこが悪いのだろう、と思う人もあるかもしれま
せん。養鶏場や養豚場の横の「養犬場」を思い浮かべてください。狭い檻
の中ですし詰めでエサだけ与えられ、ただひたすら、繁殖のために利用さ
れる親犬。生後いくばくもなく、親元から引き離され、海を渡ってくる子
犬たちの多くは、日本への到着を待たずに、そのまま箱の中で死んでしま
うとも聞きます。
ひと箱いくらで日本に売られてきた犬たちが、国産の犬として、時には血
統証までついて、すっかり体裁を整えられて販売されているのですから、
これはやはり問題視せざるを得ません。
こういった犬を扱う店は、飼い主とトラブルがあれば、動物病院に診せる
費用はしぶっても、すぐに新しい犬と換えてくれるといいます。仕入れ価
格が激安ということが、そのあたりの対応からもうかがえるところ。ここ
までくると、モラルの問題を超えて、組織的な動物虐待といっても過言で
はありません。
しかし、そのブロイラー生産の輸入犬であることを見抜ける人は、いった
いどれだけいるのでしょう。もちろん私にもできません。
安かろう悪かろうではありませんが、動物たちを良く知り、きちんと繁殖
した上で販売したら、店頭特価で売られているような価格はまず無理でし
ょう。だからといって、高い値段がついていれば安心というものでも、も
ちろんありません。
一部の愛護団体や、犬のサイトでは、展示販売のペットショップでの不買
運動をはじめています。動物先進国では、お菓子の如く、ガラスケースに
陳列されて売られる子犬などはいません。純血種がどうしても欲しいとい
うことであれば、よく研究してから、信用のできるブリーダーさんを見つ
け、ネット販売などではなく、自分の目で確かめ、そこから直接、入手し
ましょう。しかしそれとて、素人にはとても難しいことを肝に銘じてください。
純血種にこだわらないのであれば、保健所や愛護団体などで、運命の出会
いを待っている、かわいそうな犬たちに生きるチャンスを与えてあげて欲し
いと切に思います。
□■ 家庭動物販売士 □■ (NEWS)
約2500の販売店でつくる「全国ペット小売業協会」は、ペットショップでの
管理や飼い主への情報提供を適切に行える人材を「家庭動物販売士」
(仮称)として認定する資格制度を設けることを決めた。
ペット売買をめぐっては、「病気の犬を買わされた」との購入者からの苦情
や、説明不足による安易な購入で飼いきれないペットが捨てられるなど、さ
まざまなトラブルが指摘されている。
新資格は、販売の際に餌のやり方や動物の種類・性質について十分な説
明ができる「プロの販売員」育成に重点を起き、トラブル防止やモラル向上を
目指すという。
難易度に応じ3つの級に分け、講習会と実技の研修後、試験を行う。早
ければ11月にも東京、大阪、名古屋などで資格取得のための研修をスタ
ートさせる予定。
同協会は昨年9月、インターネットなどの通信販売の原則禁止を盛り込
んだ初のガイドラインを策定しており、この基準に基づき優良業者に「マ
ル適マーク」を発行する事業もスタートさせる。
★☆まだ、これも海のものとも山のものともわかりませんが、こうやって
少しづつでも業界の体制が整っていくことを祈らずにはいられません。
※ 禁・無断転載 ※
背景画像は多頭飼育崩壊現場よりレスキューされたMIX犬ひなちゃん。
理解ある飼い主さんに貰われ、今や深窓の令嬢として、毎朝ベンツで
公園までお散歩送迎つきのシンデレラDOGです。
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